源泉の感情
対談集。
*日本の伝統芸能などへの造詣が無いとかなり難解だとは思いますが、これはかなり面白い一冊ではないかと思います。
なんせ野坂昭如と「エロチシズムと国家権力」、石原慎太郎と「七年後の対話」、安部公房と「二十世紀の文学」・・・ですからね!三島由紀夫の作品とは全然違ったアプローチに思考修行者にはたまらなく、こういうのが好きな人には垂涎の内容だと思います。
*三島由紀夫といえば過激な憂国思想家と言われ、それはこの対談集の中でも折に付けその側面を覗かせます。多くは日本の伝統への危機感や自らの美意識と遊離していく世相から出ていることで理解できます。それでも「日本人の抽象の一番極限の部分に天皇をもっていくべきだ」みたいな発言はさすがに相容れなかった。
前半~中盤にかけては三島由紀夫と同年代や少し上の人々と話を展開していくのですが、特に凄いのが後半です。一流の芸達者達との対談を専門用語を交えて行っていきます。ここの対談では完全に三島由紀夫が芸達者たちに呑まれています。もしこの対談集を手に取るようなことがあれば、あとがきは是非とも飛ばさずに読んでもらいたいです。
美意識に生き、玉として砕けることとなった三島由紀夫が丹念に玉を磨かれた人々に翻弄されるさまはとても皮肉めいて、なおかつ、それでも自らをああいう事件にもって行かなければならない衝動は複雑な感情を抱かずにはいられませんでした。これはこの先何年も都度読み返し、付き合うことになりそうな一冊だろうと思いました。お薦めです。
*日本の伝統芸能などへの造詣が無いとかなり難解だとは思いますが、これはかなり面白い一冊ではないかと思います。
なんせ野坂昭如と「エロチシズムと国家権力」、石原慎太郎と「七年後の対話」、安部公房と「二十世紀の文学」・・・ですからね!三島由紀夫の作品とは全然違ったアプローチに思考修行者にはたまらなく、こういうのが好きな人には垂涎の内容だと思います。
*三島由紀夫といえば過激な憂国思想家と言われ、それはこの対談集の中でも折に付けその側面を覗かせます。多くは日本の伝統への危機感や自らの美意識と遊離していく世相から出ていることで理解できます。それでも「日本人の抽象の一番極限の部分に天皇をもっていくべきだ」みたいな発言はさすがに相容れなかった。
前半~中盤にかけては三島由紀夫と同年代や少し上の人々と話を展開していくのですが、特に凄いのが後半です。一流の芸達者達との対談を専門用語を交えて行っていきます。ここの対談では完全に三島由紀夫が芸達者たちに呑まれています。もしこの対談集を手に取るようなことがあれば、あとがきは是非とも飛ばさずに読んでもらいたいです。
美意識に生き、玉として砕けることとなった三島由紀夫が丹念に玉を磨かれた人々に翻弄されるさまはとても皮肉めいて、なおかつ、それでも自らをああいう事件にもって行かなければならない衝動は複雑な感情を抱かずにはいられませんでした。これはこの先何年も都度読み返し、付き合うことになりそうな一冊だろうと思いました。お薦めです。
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